安楽病棟

2004年9月24日 読書
ISBN:4101288135 文庫 帚木 蓬生 新潮社 2001/09 ¥860

著者自身が再受験して医者になったことから、
私自身が親近感を覚えているのかもしれないが、
医療に関わる作品が多く、好きな作品も多い。

この作品は痴呆老人を収容する病院を舞台とした安楽死をめぐる物語である。

・・と、ここまで書いた時点で、なんとなく暗い内容がわかってしまいそうなので、
作品中に出てきたエピソードで印象に残った場面を紹介するにとどめときます。

主人公の新任看護婦が学生時代、
初授業で非常勤講師が言った言葉なのですが、

「看護婦はまず、誰よりも患者の傍にいる人です。
 看という字はどう書きますか?
 手と目から成り立っていますね。その二つで患者を護るのが看護です。」

と。

こんな講師の言葉に影響を受けつつ働き始めた主人公の老人介護の理想と現実。
そして裏で行われている病棟内の実験。

オランダにおける安楽死の実態を織り交ぜながらのノンフィクション気味な小説です。

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